不妊鍼灸について
少子化が叫ばれる昨今、晩婚化や高齢出産が増加したというニュースも連日伝えられるようになりました。そんな中、子どもが欲しくても授かれないという不妊に悩むご夫婦が実に多くいらっしゃることをご存知ですか?
実際、不妊治療をしても授かれないと当店へ駆け込んでくるお客様がたくさんいらっしゃいます。
- 妊活を始めて2年近く経つが妊娠しない
- 原因不明の不妊に悩んでいる
- 何度不妊治療しても授かれない
- 妊娠しても流産をくり返してしまう
不妊と一言でいっても、このようにたくさんのケースや症状があります。クリニックなどで治療をしている方、ステップアップを検討している方、ご自身で妊活を続けている方など、妊活の方法も人によりさまざまです。しかし、「妊娠をしたい」「元気な子どもを授かりたい」と思う気持ちは、どのご夫婦も同じだと思います。
東洋医学では、鍼灸や食事、生活習慣の見直しなど、不妊改善に効果のあるメソッドが多くあります。原因不明の不妊にお悩みの方は、ぜひ東洋医学の門を叩いてみるのはいかがでしょうか?
ここでは、東洋医学が考える不妊の原因や改善のためのポイントを、プロの鍼灸師が詳しく解説していきます。まずはこちらの動画からご覧ください。
【動画解説】東洋医学による不妊改善法
※施術効果には個人差があります。
不妊体質でもここなら子供が授かれます!(看護師/女性)
東洋医学が考える4つの不妊の原因
西洋医学では、不妊の原因は排卵や卵管、子宮、頸管、免疫、精子などに何らかの問題が生じることで起こるといわれています。しかし、はっきりとした原因がわからず、具体的な対処が行えないケースも少なくありません。
一方、東洋医学では不妊の原因を臓腑の不調や体質の問題と捉えます。それぞれ考えられる原因を、詳しく見ていきましょう。
①内臓の血流不足
内臓への血液循環が悪くなると、生殖器系への血の巡りも悪くなります。こうなると子宮や卵巣が冷えてしまうので、妊娠に必要な受精卵が着床しづらくなってしまいます。こうなると身体全体が栄養不足になる「血虚(けっきょ)」状態に陥り、子どもが授かりにくくなるという悪循環です。そのため、妊娠しやすい身体をつくるためには、鍼灸などで身体の巡りを整える必要があります。
②月経に問題がある不妊体質
東洋医学には、月経周期を整えると子どもを授かれるという考えがあります。これは、月経痛など生理に何らかの問題を抱えている場合は、生殖器がSOSを出しているサインだからです。
月経痛が強い人は、血の巡りが悪く血液が汚れている「瘀血(おけつ)」状態であるケースが多くあります。また、生命力が弱ってしまう「腎虚(じんきょ)」である方は不妊体質になりやすいので、これらの体質を改善させることが妊娠へつながります。
③冷え性
冷えは万病の元と言われるように、身体が冷えていると妊活にも悪影響を及ぼします。下半身が冷えていると、受精卵のベッドである子宮も硬くなり、着床しづらくなってしまいます。妊活中は巡りを整え、身体が温かい状態を保っておくことが重要です。
④不調の生じる身体
妊娠は健康な男性と女性の間に成立するものです。不妊以外にも、頭痛やアレルギー症状、不眠、生理痛、婦人科系疾患などの不調がある場合は、授かりづらい身体になってしまいます。妊活中は妊娠することだけが目的になりがちですが、まずはご自身の身体を健康に導くことからはじめてみましょう。
東洋医学の伝統鍼灸
東洋医学では、鍼とお灸を用いた伝統的な鍼灸施術で不妊の症状を改善へと導きます。
当店の施術の流れと合わせて、詳しい内容を見ていきましょう。
①伝統的なカウンセリング「四診法(ししんほう)」
不妊はその人の体質やお身体の状態によって、原因が異なります。不妊を改善するには、妊娠の妨げになっている原因が何なのか、正確な特定が必要です。東洋医学ではお客様のお身体の状態や、原因を特定するために、伝統的なカウンセリング手法である「四診法(ししんほう)」を取り入れています。
四診法は施術者が目で見て触って、脈やお腹をみて判断する、五感を駆使したカウンセリング法です。これにより体質や原因を見極めることで、より正確なアプローチができるため、不妊改善の効果が期待できます。
②体質改善を目指す「経絡治療(けいらくちりょう)」
東洋医学には、臓腑や身体の巡りを整えて体質改善や自然治癒力の向上を図る「経絡治療(けいらくちりょう)」というものがあります。これは、身体に点在するツボ(経穴)に鍼灸で刺激を与えることで、「気・血・水」の通り道である経絡の巡りや五臓(肝・心・肺・脾・腎)の不調を改善させる施術です。
経絡治療は不妊の根本原因である臓腑にアプローチができるので、不妊体質そのものを改善させることができます。また、巡りを整えることで血流が促されて冷えが解消され、妊娠に必要な栄養や酸素を子宮に十分送れるようになります。下半身が温まると着床もしやすくなるので、妊娠率アップも期待できるでしょう。
③妊娠しやすい身体づくりをサポート
妊娠しやすい身体は、巡りや冷えの解消はもちろん、生活習慣を整えることが大切です。当店では、施術後に生活習慣のアドバイスやご自宅で簡単にできるストレッチなど、日常生活に関する指導も行っています。
例えば、東洋医学には食養生という考え方があります。身体は食事で作られているので、妊娠のために必要なものと避けるべき食材を知っておくことが重要です。生命をいただくことで新しい命を宿すという考えから、玄米や小魚、種子、番茶などの積極摂取をオススメしています。反対に身体を冷やす白砂糖や南国系のフルーツなどは、妊活中には避けるのが無難です。
ほかにも適度な運動や睡眠時間など、妊娠をするうえで気をつけたい生活習慣はたくさんあります。そうした注意点やポイントも合わせてお伝えしていますので、どんな些細なご質問やお悩みやでもお気軽にご相談ください。
東洋医学の鍼灸が不妊に効果的な理由
なぜ東洋医学が不妊に効果的かというと、以下の6つの理由があります。
①妊孕(にんよう)の力を高められる
妊孕(にんよう)とは簡単に言うと、妊娠するための力のことです。妊娠するためには、生殖器や体温、身体のバランスなどさまざまな要素が合わさり、かつ健康的な状態でなければなりません。東洋医学の鍼灸は、身体を内側から整えてこの妊孕力を高めることができます。妊孕力が高いほど妊娠にもつながるため、不妊にも効果的です。
②内臓機能を正常に整えることができる
東洋医学の鍼灸は、ツボへのアプローチにより経絡とつながりのある臓腑の機能を向上させることができます。内臓機能が正常になることで体調も整うので、妊娠しやすい身体につながります。
③ストレスを軽減することができる
鍼灸にはリラックス効果があり、ストレスを減らすことができます。ストレスは妊活にも悪影響を及ぼしますが、不妊に悩んだり妊活が上手くいかなかったりすると、ストレスが溜まるものです。鍼灸でストレスを解消して、フラットな状態で妊活に臨みましょう。
④自律神経のバランスが整う
自律神経のバランスが乱れると、不調が生じて妊娠にも悪影響です。鍼灸には自律神経を整える作用があります。また、自律神経は日常の生活習慣の影響も大きく受けるものです。当店では施術後にお客様の体質や状態を見ながら、生活習慣の指導やアドバイスも行っています。
⑤ホルモンバランスの乱れを正して生理周期を整えられる
生理周期が乱れると、排卵の時期もバラついて妊活にも支障が生じてしまいます。生理周期が安定しない場合は、伝統鍼灸でホルモンバランスを整えて、規則的なリズムに戻すことが大切です。
⑥肝機能を改善して血行を促進できる
身体の冷えは不妊を招きます。冷えの原因の多くは血行不良です。東洋医学の鍼灸は、肝機能を改善させて身体の巡りを整えることで血流を促すことができます。冷えを解消して授かりやすい身体へ整えていきましょう。
これらの効果が、不妊症の改善に役立つとされています。ただし、不妊の状態にも個人差があるため、効果が出るまでには複数回の施術が必要な場合もあります。まずはお気軽に当店までご相談ください。
不妊鍼灸についてよくあるご質問Q &A
ここではよく当店でお客様よりお寄せいただく不妊鍼灸へのご質問に、Q&A形式でお答えいたします。
Q:不妊鍼灸を始めるタイミングはいつですか?
A:具体的にいつ、というのはお客様の体質や年齢、お身体の状態によって異なるので一概には言えませんが、早ければ早いほど望ましいです。当店では不妊で悩むお客様の体質改善を目標に施術を行っています。体質改善には早くても3〜6ヶ月の期間を要するので、早くから始めるに越したことはありません。
Q:どれくらい通えば妊娠できますか?
A:お客様のお身体の状態にもよりますが、約4〜6ヶ月が平均です。通う頻度としては、週に1回のペースでご来店いただいています。
Q:不妊鍼灸でも基礎体温は測りますか?
A:はい、基礎体温を測っていただきたいです。体温は身体の状態をよく表してくれます。低体温であれば身体にさまざまな不調が生じますし、ご自身の月経周期を知るためにも基礎体温は重要です。当店でも、基礎体温をひとつの指標にして不妊鍼灸を進めてまいります。
Q:女性の施術者など担当の指名はできますか?
A:当店に在籍するスタッフは、全員が国家資格を取得している鍼灸のプロフェッショナルです。そのため、どの鍼灸師が担当しても技術の差は大きくありません。ただ、性別などご希望がある場合は、男女どちらの鍼灸師も在籍しておりますので、ご予約の際にご相談ください。
Q:男性不妊も扱っていますか?
A:はい、男性不妊に対する鍼灸も行なっております。男性の場合は、精子の数や運動率を正常にしたり、ホルモンバランスを整えたりすることで妊娠しやすい身体づくりをします。自律神経も調整できるので、EDの改善にも効果的です。
不妊を乗り越えて元気な赤ちゃんを授かりましょう
不妊治療は精神的、身体的負担が大きく、どうしても焦りやストレスもつきものになります。しかし、それを悲観的に捉えずに、受け入れて前に進むことが大切です。東洋医学の鍼灸は、身体の内側から自然治癒力を高め、ホルモンバランスを整えて妊娠しやすいカラダをつくるお手伝いをします。まずは赤ちゃんを守るための器でもある、自分自身の身体を大切にしてあげましょう。
また、不妊や妊娠に関するご相談やお話、お悩みを聞くことも鍼灸師の役割です。何か気になることや不安な点があれば、いつでもお気軽にお声がけください。可愛い我が子をその手に抱く日まで、一緒に頑張りましょう。