なぜマッサージでは肩こりが改善しないのか?
東洋はり灸院 統括院長の石丸です。
今回は「なぜマッサージでは肩こりが改善しないのか?」についてお話したいと思います。
肩こりが辛くマッサージで肩をほぐしてもらっている人も多いかと思います。しかし、そのマッサージで肩こりは改善されているでしょうか?その場では楽になってもまたすぐに辛くなってしまい、これをくり返すことも多いかと思います。
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※施術効果には個人差があります。
肩こりの悪条件と絶対条件
肩こりの原因はパソコン作業をしているから、姿勢が悪いからだと思っている人やマッサージ店でそのようにいわれたケースも多いと思います。しかし、これは事実ではありません。
考えていただければわかりますが、オフィスで同じパソコン作業をしていても肩がこる人と肩がこらない人がいるはずです。パソコン作業をしていても、姿勢が悪くても肩がこらない人はたくさんいるわけです。
パソコン作業や姿勢の悪さは悪条件ではありますが、絶対条件ではありません。この絶対条件さえ改善されれば肩こりのない体になれるので、この点についてお話したいと思います。
不通則痛(ふつうそくつう)
東洋医学には「不通則痛」という言葉があります。これは「通らざれば則ち痛む」、つまり流れが悪いと症状が出るという意味になります。乳酸がたまっている、同じ姿勢を続けたことで流れが悪くなるなどは皆さんも理解できるかと思いますが、流れが非常に重要です。
マッサージやストレッチではその場限りになってしまいます。マッサージやストレッチを行うと、その場では流れるため楽にはなります。
たとえば、お風呂をかき回すと中のお湯は回りますが、かき回すのをやめると止まってしまいます。まさにこれと同じことで必要なのは常に回り続けている体づくりなのです。
そして、これができるのが東洋医学です。東洋医学には肝の疏泄作用という言葉があります。これは延々と回っている機能を指しており、これがなければ肩こりはいつまでたっても治りません。
肩こり以外の症状
さらに肩こりの患者様には肩こり以外にも下記のような症状がある方が非常に多いです。
- 生理痛
- 生理不順
- 子宮筋腫
- 子宮内膜症
- PMS
- 巻き爪
- 便秘
- 下痢
- 末端冷え性
- 皮膚症状(乾燥肌)
- 頭痛
- 花粉症 など
これらは一例であり組み合わせはさまざまですが、このような肩こり以外の症状の有無が非常に重要になります。そのほかの症状がある人は体全部を治さなければ肩こりも改善されません。
全身の循環が重要
この中でもとくに重要なのは婦人科系と便通の症状です。婦人科系は血と深い関係があるため、婦人科系に異常があるということは全身の血の流れに影響するわけです。ですので、東洋医学によって生理痛・生理不順などがない体をつくると肩こりは改善されます。
また便秘にかんしては、摂取した食べ物が回らずに止まっており、まさに循環の悪い状態です。ですので、便通を整えることでグルグルと回りはじめ、肩こりも改善されるわけです。
肩こりを治すために肩のマッサージやストレッチ、整体を行ったところで改善がみられない理由はそのほかの症状を放っておいているからです。
すべての症状を治す
東洋医学ではすべての症状を一気に治すような施術を行います。当院で行う肩こりの患者様への鍼灸施術は肩以外の部分が95%を占めています。先ほどもお話したとおり、婦人科系や便通の症状がある患者様もそれらを改善することで肩こりも含めたすべてが治ります。
そのほかの症状の中でもっとも難しいのは巻き爪です。巻いた爪を戻すことは難しいですが、巻き爪になってしまった体質というものがあります。ハイヒールを履いていなくても巻き爪になる人はおり、この巻き爪になる体質も循環不全といえます。
末端冷え性も同様ですが、爪の先まで血が通っていないことが原因なので血がグルグルと回る体をつくらなければ治りません。
体全体をみる必要性
このように流れのよい体をつくらなければいつまでたっても肩こりは治りません。逆にいうと、流れを改善するとどれだけパソコン作業をしようと、どれだけ姿勢が悪かろうと肩はこりません。
私は現在49歳ですが、肩こりになったことはありません。私は男性なので婦人科系の症状はありませんが、当然、肩こりに悩む男性はいます。その場合は頭痛や皮膚症状などそのほかの症状があるはずです。
肩こりを治すためにはすべての症状をまとめて施術していかなければいけません。肩こりひとつを治すにも体全体をみる必要があるわけです。
おわりに
今回は「なぜマッサージでは肩こりが改善しないのか?」についてお話ししました。
次のページでは「肩こりの鍼灸」について詳しく解説しておりますので、ぜひ併せてご覧ください。